「早期水稲に特別の配慮、道路特定財源の一般財源化見直し―中山成彬 予算委員会筆頭理事、質疑概要」 平成19年10月9日衆議院予算委員会

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○中山(成)委員 
〈派閥の名称不使用〉
先週の私ども清和政策研究会の総会に、小泉元総理が六年ぶりに来られて、人生には上り坂と下り坂のほかに、「まさか」という坂があるんだと、いつものような小泉節を聞かせていただきました。
そういう意味で、福田総理、1カ月前「まさか」こういうことになるとは思ってもおられなかったと思いますが、あの厳しい過酷な選挙戦を戦われて今ここに座っておられます。福田内閣の支持率もほどほどの滑り出しです。こうして見ていますと、ずっと前からここに座っておられたような感じもしまして、国民が求めていたものはこういう安定感といいますか信頼感だったのかな、そのような思いがしています。
私は福田選対の事務局長を務めさせていただきました。選挙戦を戦うに当たって、福田候補にはできるだけ地方に行っていただこうということで、多摩ニュータウン、今はオールドタウンになっている、そこを見ていただいたり、あるいは、福島県のいわき市に行きまして、いわゆるシャッター通り、あるいは町おこしの例としてハワイアンセンター、そして限界集落や鳥獣被害を受けている農村地帯を見ていただきました。しかし、選対本部として一番神経を使ったのが、派閥の談合だとかなんだとかそういう言葉がマスコミのみならず相手陣営からも聞こえてきましたので、この派閥色を消すために腐心しました。選挙戦を通して、派閥を超えたいろいろな集まり、特に若い人たちがお話を聞きたいということで集まられた、そういうところに時間をとりました。
私どもの票読みでは、議員の票だけでも310票近く、トータルしますと380票位かなと思いましたが、結果は330票。派閥の締めつけとかそういうのはほとんど効いてない、そんな感じがいたしました。実際、派閥の実態は変わってきています。今、派閥というのは研修の場、政策を勉強する場、親睦の場あるいは選挙の応援に行くとか、そういった形になっている。親分がポストと金で締めつける、そういうものじゃなくなっています。
先週、私どもの総会で、町村会長にやめていただいて、代わりに代表世話人を3名置きまして、これからはもう町村派と言わない、清和政策研究会、略して清和研と決めました。かつて福田総理のお父上、福田赳夫総理が30年以上前に、総理になられたときに派閥解消を唱えられ、派閥の事務所もやめようと言われました。しかし、派閥はなくならず、その後も続きました。
今、派閥の運営もみんなが会費を出して、あるいはパーティー券を売って運営しているわけで、ぜひ総理、各派の会長さんたちに、もう派閥、何々派と称するのはイメージが悪いからやめようということを提唱していただきたいと思いますが、いかがですか。
 
○福田内閣総理大臣 
我が自民党のことでございまして、この総裁選挙でもって国会等に御迷惑をかけたということは本当に反省をいたしております。
この総裁選挙が始まるときに、派閥談合だとかいうようなことを指摘される方もいらした、自民党の中でもそういうことを言われる方はいらしたんです、メディアもそれはもう一生懸命それを使ったわけですけれども。そのときに、私ははっきりと、もうこの派閥という選挙はあり得ない、こういうことはいち早く申し上げました。
私は、派閥的な活動の限界というものはもう既に感じております。私の前任の安倍総理だって派閥の会長でなったわけじゃないし、私も派閥の会長どころじゃない、ほとんど何の役目にもついていないような立場で出てきたわけでありまして、そしてまた、最初に私に声をかけてくださった方々は、皆さん、派閥関係なく声をかけてくださったというようなこともございました。
いまだに派閥というふうに言われるのは、私は正直言って心外でございます。政策研究グループ、こういうふうな形で呼んでいただきたいというふうに思っておるところでございまして、国会議員からして、派閥という言葉は忘れた方がいいというように思います。これは我が自民党だけじゃないと思いますよ。ほかの政党にもそういう部分はあるかもしれぬ。そういうことで、古い政治ということを思い出す派閥というものは、これはもう積極的に使わないようにするのがいいのではないかというふうに思っております。
 
○中山(成)委員 
これは党改革、政治改革の第一歩だと思いますので、各会派の代表の方々によろしくお願い申し上げたいし、またマスコミの方も、ぜひ政治改革の一環として、これから何々派というふうなことは使わないように、御協力をお願い申し上げたいと思います。
〈地方活性化について〉
ところで、総裁選挙のときも一番問題になりましたのが地方格差、地方が疲弊しているということでした。
そして、自民党でもずっと地方の活性化については議論をして取り組んで参りました。地域再生調査会とか、あるいは真の地方財政の確立と地方の活性化を図る議員連盟、こういったところで、中心市街地活性化、あるいは地域再生、そしてふるさと創生、バイオマスタウン構想とか、さまざまなメニューをつくり、例えばまちづくり交付金3千億円等を予算措置しました。このような「地域活性化ガイドマップ」をたくさん印刷しまして、地方にも配付しました。しかし問題は何かをやろうとする場合に、地方が負担するお金がないということでした。これにつきましては、借りている高利の地方債を借りかえることができるようにしたり、又、地方法人税二税を共有税にして、本当に困っている地方公共団体に配分するとか、あるいはふるさと納税とか、そういったものも議論いたしました。これらはこれから年末にかけて検討されることになるだろうと思っております。
今回、福田総理の強い指示で、内閣の方でも四つの地域活性化本部が統合化されて、一体として全閣僚が参加する地域活性化統合本部が今日まさに発足するということで、大変期待いたしております。しかし、何といいましても、地方は三位一体の改革あるいは交付税の削減で財政的に本当に困っている、住民サービスもできないような状態になっています。総理からぜひこの地方財源の充実ということについてお考えを聞かせていただきたいと思います。 

中山成彬 予算委員会筆頭理事、質疑概要

○福田内閣総理大臣 
御指摘のとおり、地方の問題というのは大変重要な課題であるというように心得ております。
地方財源、これは地方が独自に財源をつくり出すということができればいいですけれども、その力がないところにはそれなりのことをしていかなければいけない。それが税金なのか、また交付税というふうなことであるのかということになりますけれども、これは全体を見て判断していかなければいけない段階だというふうに思っております。そしてまた、地方自治体自身も、みずから生み出す力を持つ努力をすべきだというように思っております。そのために、いろいろな方策があるでしょうけれども、例えば企業立地を促す、企業を引っ張ってくるということも必要だと思います。
しかし、企業誘致しても、例えば工場が来るということはあっても、それだけでは十分でない。そこに利益がたまらないような仕組みで、みんな東京の本社に吸い上げられてしまうということであっては、誘致しただけという話になります。これは、やはり企業にもいろいろ考えてもらわなきゃいかぬですね。私が申し上げております、自立は企業として必要かもしれぬけれども、やはり共生というようなことを常に考えてやっていただくということも必要なんだろうというふうに思います。
いずれにしても、この地方問題というのは大変大事だということで、いろいろな角度から今研究をしているところでございます。そして、なるべく早く具体的な手段を講じてまいりたいというふうに思っております。
 
○中山(成)委員 
不況が長引いている間に、日本の企業が人件費の安い中国とかアジアにどんどん出ていきました。前に調べたとき、もう3万社以上が出ていったという話でした。やはり地域活性化のためには地方に働く場、雇用の場をつくる、これが一番大事なことだと思いますが、今、総理からもそういうお話がございました。
総理には、ぜひ経済界に対して、国内の地方に工場を立地してくれということを強く要請していただきたいと思うんですね。総理の公約の中にも、地方に企業を立地した場合には税制の優遇をしますよ、こういったことも盛り込んでいただいておりますから、ぜひよろしくお願い申し上げます。
〈道路特定財源について〉
この前、経団連の御手洗会長とお話ししたとき、あそこは大分に大きな工場をつくっておられますが、もし高速道路があれば宮崎の方にも工場を作りたいということを言われました。
高速道路については、例えば中国では、1年に7千キロ、高速道路をつくっています。これは、日本全体の高速道路の延長距離と同じです。台湾は、九州と同じぐらいの面積ですが、南北に2本の高速道路ができています。今年の初めには新幹線も通りました。経済規模からいっても、どうして九州にできないんだろうと思うんです。東九州自動車道はまだあと10年近くかかるそうです。日本はお金の使い方を間違っているのでは、そんな感じもします。
道路整備につきましては、道路特定財源の論議が地方から見ると、地方軽視というか地方切り捨ての象徴みたいな感じがします。道路特定財源は、ガソリン税や自動車重量税という道路建設のための税です。しかも、建設を促進するために、今、二倍の暫定税率になっています。ところが、これが公共事業予算のシーリング(枠)によって余り出してきています。だからそれを何にでも使えるように一般財源化しようという話です。もう大体道路はでき上がっている、概成しているのだから一般財源化してもいいじゃないかという話ですが、もしそうなら減税するのが筋じゃないかと思います。
しかし、先日、地元で「宮崎の道路を考える女性の会の集まり」に出席しましたが、早く道路を作ってほしいと必死に訴えておられました。女性は自分のことよりも子や孫たちのことを考えますから、自分たちの代に早く道路をつくっておかなきゃという思いが非常に強いんだろうと感じました。
そもそも、この道路特定財源というのは逆進性が強い税金です。県民所得の低い地方は大量輸送機関がありませんから、車を使わざるをえないのです。だから、ガソリン税をたくさん払っているのは相対的に県民所得の低いところです。そういうことを考えますと、去年の暮れの閣議決定で道路特定財源の一般財源化の方向が打ち出されていますが、総理ぜひ、これを見直してほしいと強く思いますが、いかがですか。
 
○福田内閣総理大臣 
御案内のとおり、この道路特定財源については、昨年の末に閣議決定されたわけですね。そして、具体案というものがまとめられております。ですから、そういうような趣旨に沿ってこれからこの特定道路財源を運用していくことになるんだというふうに思います。そうしなければいけないんだろうというふうに思いますけれども、しかし、この具体策が問題ですよね。どうやって具体化していくのかということがございまして、道路整備の必要性の吟味ということは十分にしなければいけないと思いますが、この厳しい財政事情のもとにおいて、一般財源としてどういうものに使っていくのかということも、これから大いなる議論が必要なんだというふうに思っています。
そして、あわせて、今御指摘のように、納税者の理解ということがあります。今、財源が極めて厳しいという状況もございますので、納税者の理解というものを求めるためにどうしたらいいかということをよく考えた上で、その使途等についてこれから詰めていきたいというふうに思っているところでございます。
 
○中山(成)委員 
どうかよろしくお願いを申し上げます。
〈和製ファンドについて〉
ところで、日本経済はずっと回復基調が続いていると言われていまして、現に大企業等は空前の好決算ということです。しかし、日本全体としてはなかなか景気の浮揚感が乏しいわけです。これはなぜか。やはり企業が内部留保と配当を重視していて労働分配率がなかなか高まらない。配当についても、外人投資家がふえていますから、海外に流出する分もあるのだろうと思います。ぜひ福田総理には、経済界に対して、労働分配率、給料を上げるように、それから正規雇用も増やすように、あわせてお願いしていただきたいと思います。
また、長引く不況の霧が晴れてみますと、目につきますのは横文字の会社が多くなったということです。外資に買収されたり、あるいは、RCCも売り先を探すときに、国内のファンドに売るといろいろ言われるから後腐れがないようにとどんどん外資に売っちゃったとか、そういうところもあったわけで、私は非常に残念です。苦労して会社を立ち上げた創業者の無念が日本列島に満ち満ちているような、そんな感じもしております。
また、金利も、低金利がずっと続いているものですから、円転、円キャリーで、外貨で運用されている。日本人は、自分たちの金、自分たちの貯めた金が自分たちの為に使われずによそで使われている。あるいは、極端に言いますと、自分たちがこつこつと貯めた金で日本企業、日本の土地が外人に買われている、こういうことも言えるんじゃないかなと思います。対内投資を促進しなければなりませんが、それは、外人が株を買うとか企業を買収するとか、そういうことよりも、やはり技術と資本を持ち込む、対内投資が本来なんだろうと思うんです。
日本人は本来農耕民族ということもあり、物づくりは得意なんですが、お金の運用ということになりますと、今までは金儲けはあまりいいことでないような雰囲気もありました。やっと最近になって、大学でも金融工学の講座ができたりとか、そういうことも変わってきています。日本人の千五百兆円という貴重な金融資産が日本人のために使われるように、資金運用のプロとかいった人達も養成しなきゃいけないし、和製ファンドというか、日本人によるファンドもどんどん立ち上げるべきだと思いますが、甘利大臣、お答えいただけますか。
 
○甘利国務大臣 
余剰資金と投資先をつないでいくのがファンドの役割でありますが、願わくは、その投資先が投機ではなくて実体経済と結びついている投資であればベストである。しかも、ふだんなかなかその資金が回りづらいところに回してくれる役目をファンドがやってくれればいいと思います。例えば、ベンチャーの育成であるとか事業再生。しかし、それには、なかなか、金融工学とか高度な金融人材というのが必要で、そういう装備ができているファンドでないとそういうリスクはとれないわけであります。日本での和製ファンドも、数はふえていますけれども、まだまだそういう金融工学とか金融人材が充実していないと思います。
ですから、和製ファンドをしっかり育てていくためにも金融人材の育成ということは大事でありまして、この6月に高度金融人材産学協議会というのを設立いたしました。メーカー、銀行、ノンバンク、大学の関係者が集まって、そういう資金と投資先をつないでいくための人材をどうやってはぐくんでいくか、これを立ち上げて、今、努力をしているところでございます。 

中山成彬 予算委員会筆頭理事、質疑概要

〈経済財政諮問会議について〉
○中山(成)委員 
次に、経済財政諮問会議のあり方について質問したいと思います。
経済財政政策に関し、有識者の意見を十分に反映させて、総理のリーダーシップを十全に発揮できるようにということで、平成13年に発足いたしまして、民間議員を4割以上入れるということになっています。
今年、6月の19日に、「経済財政改革の基本方針2007 『美しい国』へのシナリオ」、いわゆる骨太方針第七弾が公表されました。その後、自民党は参議院選挙で大敗を喫しましたが、8月9日、この骨太方針はそのまま20年度予算の全体像として概算要求基準となりました。私はこれに反対いたしました。
特に、民間議員は大企業の成功した会長さん、それから著名な学者先生、みなさん東京住まいということで、地方の視点とかあるいは弱者の視点がないのは問題じゃないかと私は思っています。選挙という試練を受けない民間議員と官僚が中心となってどんどん進めていくことに疑問を持っているわけです。民間議員の任命権は総理にあるわけで、また、大田大臣、民間大臣ということでお答えにくいと思いますけれども、この経済財政諮問会議の運営についてどう思っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
 
○大田国務大臣 
経済財政諮問会議は、総理のリーダーシップを発揮して経済財政政策を運営する、そのために重要事項を調査審議するということが目的でございます。審議に当たりましては、有識者議員の知見を活用しながら、総理と関係閣僚の合意のもとで進められております。そしてまた、例えば骨太方針のように、政府として最終決定を行う場合には、閣議決定などを通して内閣の責任で行われております。
先生御指摘のように、全国それぞれの地域の視点あるいは働く者の視点、生活の視点で経済財政政策を議論するというのは、もうそのとおりだと思います。これまでも、中小企業の生産性向上と最低賃金をセットで議論する、あるいは地域の活性化ということを議論してまいりました。そういうことも骨太方針には書かれておりますので、これからこれを実行させていきたいと考えております。
また、地域経済の立て直しということを大きいテーマに掲げております。増田大臣と連携をとって、地域経済の足腰が本当に強くなるような経済政策をこれから議論してまいりたいと思います。私も、国民から見える議論の場として、国民の目線に立って、わかりやすい議論ができるように、よりよい経済財政諮問会議になるように全力を尽くしてまいります。
 
○中山(成)委員 
委員 ぜひ、総理におかれましては、この経済財政諮問会議のあり方あるいは来年度の予算編成の方針等については、じっくりお考えをいただきたいと思っております。。
 
○福田内閣総理大臣 
そもそもこの経済財政諮問会議というのは、2001年にスタートしたわけでございますけれども、大田大臣から言われましたように、総理大臣の諮問機関。それまでの総理大臣というのは自分から物を考えて言うことはなかった、それを、自分の考えで物を言う、そのために諮問会議を開いて、そこでいろいろ政策を考えていく、立案する、そして、それがいいということになれば閣議決定して各省にお流しする、こういうふうなことをしてきたわけなのですね。
ですから、よく諮問会議は少し横暴なんじゃないかとか言われる。しかし、横暴なのは総理大臣が横暴なのですよ、それは、そのときは。総理大臣が決めるんですから。そういうふうに理解していただきたいというように思います。
ただ、一つ申し上げますけれども、こういう制度がなぜ必要なのかということ。今このような複雑化するそういう時代にあって、そしてまた、いろいろな変革を求められているという時代にあって、やはり省庁横断的に事を決めていかなければいけない。やはり総理大臣のリーダーシップというのはとても大事な時期だということなんじゃないかと思います。そういう必然性から生じた制度であるということでございますので、これが正しく運用されるように私も心がけていきたいというふうに思っております。
 
○中山(成)委員 
ぜひそういう方向で、特に弱者の視点、地方の視点がしっかり入りますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
〈農業問題について〉
次は農業問題について質問いたします。
まず、私ども九州の鹿児島、宮崎、大分は早場米の産地ですが、ことしは台風四号、五号で、フェーン現象が起こりまして、ちょうど実の入るときに温度が上がって、いわゆる乳白米と言われる規格外米、これはふだんはほとんど出ないんですけれども、ことしは7割、8割がそれになり、30キロで3千円もしないというひどいことになっています。
これは農済の制度により、補償することになっているのですが、ことしの場合は倒伏しているわけじゃなくて、立ち姿は非常に良かったものですから、事前の被害申告をしなかったんですね。収穫してみて、ひどいということが分かったのです。
ですから農済の制度上からは救いようがないのですが、しかし、想定外のことが起こったということですし、農家の方々が落胆して耕作意欲を失っている。耕作をやめちゃいますと、農済制度そのものが壊れてしまいますし、水害対策とか、多面的な機能を持っている水田です。農水大臣のところにも陳情にも参りましたが、今どういう検討状況になっているか、お聞きしたいと思います。
 
○若林国務大臣 
宮崎県を中心としまして、鹿児島、大分の一部などの早場米地帯で、今まで経験したことがないような被害が発生しているということは承知いたしております。外見上、全く被害が生じているということもわからない、また倒伏などはもちろんないというような、そういう状況で広範囲に被害が発生した特異な現象でございます。
農林水産省は、もう現地に調査団を派遣し、いろいろな報告、お話をお聞きしたりしております。また、地元でも、県や農協などの関係機関が対応策を検討いたしているというふうに承知いたしております。
それで、これは委員がお話がございましたように、被害申告がなかったというような場合には、立ち毛の、収穫前に損害評価ができないということでありますから、圃場ごとにどんな損害が発生したか確定できないということになりまして、共済金の支払いは不可能でございますが、そういう状況について、さはさりながら、生産者の経営の安定ということを考えていきますと何らかの形でこの支援をしなきゃいけない、このように今考えているところでございまして、共済組合あるいは同連合会などの積立金の活用なども含めまして、何らかの対応を早急に決めてまいりたい、このように思うわけでございます。なお、こういうような状況が今後繰り返し起こるというようなことがないような再発防止策も、あわせて今検討しているところでございます。
 
〈今後の農業政策について〉
○中山(成)委員 
ありがとうございます。今、大臣も言われました積立金が2千億を超えているという報道もございまして、何とかしてほしいという農家の切実な要望をぜひお聞き届けいただきたいと思います。
今、農村に行きますと、後継者不足です。自分の息子に農業を継がせていいものかと、WTOとかEPA等の貿易交渉の行方をじっと見守っていますし、今後の農政はどうなるのだと不安な思いで見つめているというのが農家の現状です。
しかし、一方では、これから経済発展に伴いまして途上国の食糧消費も拡大しますし、また、バイオエタノールの需要が増えてまいりますと、将来の食糧不足、飼料不足というようなことも考えられるわけです。また、温暖化が進んでいきますと米も今、北海道の米がおいしくなっているというような話もありまして、作物の適作地帯も変わっていきます。
そういった中で、今、品目横断的な政策が進められていますが、九州では、4ヘクタールの米作より20アールのハウス園芸農家の方が経営が安定しているということもあるわけです。特に野菜、畜産、果樹、花といった個別の農業についても目配りをよろしくお願いしたい。全国一律の農政じゃなくて、今度、農林大臣の発案で地方に御用聞きに行かれるという話ですけれども、それぞれの地方に行って実態をよく調べていただきたいと思っております。
地方では耕作放棄地がふえておりますが、これからバイオエタノールの普及で、トウモロコシだとか、あるいは大豆だとか麦だとか、あるいは里芋だとか、そういったものの価格が上って、昔のように国内で作ってもペイするような時代になって来るんじゃないかと考えるわけです。しかし一方では、農家が高齢化してきています。
今、九州全体で、五千人近い中国の青年たちが研修目的で農業などで手伝ってくれているんですね。しかしこれも、かつて集団就職の時代が長くは続かなかったように、中国の経済が発展しますと来なくなる時がくると考えられます。今のうちに農地の集約化を進めていかないといけません。ところが、農家はなかなか土地を手放したがりませんから、これを促進する施策もとっていただきたいと思っております。
総裁選挙の総理の公約の中にも、すべての農地を活用するための新たな施策を展開するというのが入っています。若林大臣、この温暖化、後継者不足、食料不足、貿易交渉、あるいは民主党が戸別所得補償制度というちょっと時代錯誤的な政策も出そうとしているなど、いろいろな問題がありますけれど、どういうふうに今後の農政を展開されるつもりか、お聞きしたいと思います。
 
○若林国務大臣 
委員が御指摘になりましたように、農業人口は減少をしてまいっておりますし、また、農業者自身の高齢化も進行している。その結果、農村地域で耕作の放棄が進んでいる、荒れ地がふえている、こういう現象になってきております。温暖化の問題もこれから深刻な影響が出てくることも想定されますし、また、世界的な食料需給でいえば、エタノール生産の方に食料原料が回るというようなことから、トウモロコシの価格の上昇などを初めとして、それがいろいろな波及をしてまいりまして、輸入農産物の価格が高騰してきている。農業と食料を取り巻く環境というのは激変しつつあるわけでございます。
そういうような状況を前提にしながら、今、戦後初めてと言われております大きな意味でこの転換期を乗り切るための農政改革を、農地法の、農地制度の改正を視野に入れながら、大きく農政改革を進めていこうとしているわけでございます。
委員がお話ございましたけれども、やや誤解がありますのは、実は、国内における消費者に対する農産物の供給が、農業主業者といいますか、農業を主として農業所得で生活を支えているような農業主業者が供給の7、8割、あるいは9割、大部分を供給できるような体制にしていくことによって初めて生産性も上がりますし、安定的な農産物供給ができる、こういうことになるわけですね。
そのことはかなり進んでおりまして、野菜について言えばもう八割がそういう農業者によって供給されておりますし、フラワー、花についても87%、酪農は九六%、肥育牛あるいは豚、養豚などは90%もそういう農家が、農業者が供給をしているということになっております。麦類や豆類など、芋類もやはり7、80%はそういう人たちで供給されているんですが、残念ながら、米につきましては、そういう主業者が供給している部分が四割弱ぐらいということで、六割は兼業の人あるいは農業以外の所得が多い人や高齢者などによって今なお供給されている、こういう状況でございます。
そういう意味では、耕種部門の水田農業について、米は過剰になっているわけですから、さらに米をつくっていくというわけにはまいらない。そういう状況の中で、米以外の作物を導入しながらいくには、かなりの技術的な能力あるいは意欲のある主業者が中心になって、米の、水田の耕作をしていかなきゃいけない。そういう認識のもとに、いわゆる品目横断的な対策を講じようとしているわけでございます。
このことに関しまして、小規模の農業者や高齢者をどうするんだという話がございます。当然、担い手だけで農業が、農村が成り立つわけではありませんから、そういう人たちも含めましたいわば地域の組織化、農業の組織化ということを積極的に図りながら、今言った体質改善、体質強化を図っていかなきゃいかぬ、こういう問題意識でございます。 

中山成彬 予算委員会筆頭理事、質疑概要

〈今後の貿易交渉について〉
○中山(成)委員 
ところで、これから貿易交渉、農業交渉が続くわけですが、ぜひ御理解いただきたいことがあります。というのは、アメリカとかオーストラリアとかいったところは、農業というのは産業でありまして、農業生産の現場と生活の現場が離れているわけです。日本の場合には、農業というのは、地域社会において必要な生業として育まれてきました。そして、農村は生活の場であり、文化伝承の基でありました。
従いまして、農業交渉をやっていきますと、その成果というのは、向こうは産業振興になるわけですけれども、日本は地域社会が崩壊につながる可能性がある。そういう意味で、農業というのは他の製造業とは違うのだという認識が必要じゃないかなと思っています。
〈教育予算の確保について〉
なお、来年度の予算要求の中に、全国の小学生120万名を1週間農山漁村に宿泊体験させるという非常に意欲的な予算要求がなされているんですね。これは、子供たちの自然体験のためにも、あるいは農山村漁村の活性化のためにも非常にいいことじゃないかと考えます。ぜひ実現して下さい。
予算といいますと、一言申し上げたいのは、とにかく増税よりも前に歳出削減だということで財政構造改革をやってまいりました。しかし、例えば教育現場だとかあるいは医療現場にはもう悲鳴が上がっているところもあります。日本でも歳入改革についても勇気を持って取り組んでいかなければならないのではないかと思います。
福田内閣も教育再生を最重要課題と位置づけられておりますから、ぜひお願いしたいんです。学校現場を回りましたら、学校によってはファクスの用紙がないとか、試験をするためのプリント用紙がないとかいう話もあります。今後、教員数を生徒の減少よりもさらに減らすという政府の方針があります。あるいは国立大学法人の運営費交付金を毎年一%ずつ削っていく、私学助成も毎年一%ずつ削るということです。しかし本当に教育が大事なら、こういうことを硬直的にやるのはどうかなと思うんです。どうですか、文科大臣。相撲協会の話とかいろいろ大変だということですけれども、ぜひお考えをお聞きしたいと思います。
 
○渡海国務大臣 
中山先生おっしゃるように、先生は大臣のときに現場を随分歩かれたと聞いております。教育の現場でこれから一番大事だと考えておりますのは、やはり先生方が子供と向き合う時間を長くとっていただく。そのためには、そういった環境をつくるためのさまざまな支援をしていかなきゃいけない。ボランティアを使うとか、既に非常勤講師というような発想もございますが、そういった方々を採用するとかいったことによって先生が子供の状況を把握していただくということが、やはり学力の向上のためにも、また、最近いじめ等の問題がございますね、子供の変化に先生がしっかりと気づく、こういう面でも大事だと思っておりまして、そのようなことを実は二十年度の概算要求に盛り込んでおりまして、各府省とも連携しながらしっかりと予算獲得に努力をしていきたい、そのように考えておるところでございます。
 
〈温かみのある政治を〉
○中山(成)委員 
時間になりましたが、福田総理、これからも改革は続けていかなければなりませんが、小泉元総理に申し上げたことがございます。改革には信長の峻烈さ、厳しさも必要だが、しかし、それが成功するためには、夕方になると外に出て、庶民のかまどの煙が上がっているかどうか、心配されたという仁徳天皇のお慈悲の心も大事だということです。
その点、総理は温かみのある政治ということを打ち出しておられますから、ぜひそういうお気持ちを持ってこれから国政に取り組んでいただきたい、このことをお願い申し上げまして、質問を終わります。