衆議院教育再生に関する特別委員会:質疑内容  平成19年04月20日

○保利委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山成彬君。
 
○中山(成)委員 おはようございます。自由民主党の中山成彬でございます。
安倍内閣が最重要課題と位置づけます教育関連法案の審議がいよいよ始まるわけでございますが、法案提出に至りますまで、教育再生会議、中央教育審議会の先生方、本当に土日返上で御尽力いただきましたこと、改めて感謝申し上げたいと思う次第でございます。
審議に入ります前に、去る17日の夕刻、選挙中でございましたが、伊藤長崎市長が凶弾によって亡くなられました。助けを求める奥様の悲痛な声がブラウン管を通じて流れておりましたけれども、奥様の無念さ、悲しさを思うと胸が張り裂ける思いでございます。こういうことは絶対あってはならないことだ、このように思うわけでございます。
そこで、安倍総理にお伺いいたします。このような暴力による政治活動あるいは言論に対する封圧、どのようにお考えか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 
○安倍内閣総理大臣 亡くなられました伊藤市長は、たまたま、私の地元、山口県長門市の御出身でもございまして、県会議員時代から存じ上げておりました。心から御冥福をお祈りしたいと思います。
また、奥様初め御遺族の皆様のお悲しみあるいは憤り、察するに余りあるものがあると思うわけでございます。お悔やみを申し上げたいと思います。
選挙期間中の凶行であり、これはある意味では民主主義に対する、まさに、断じて許すことのできない挑戦である、このように思う次第でございます。
選挙期間中、候補者はさまざまな危険にさらされることもあるわけでございます。私も、選挙中、火炎瓶を自宅に投げられたこともあったわけでございますが、しかし、そういう暴力には決して屈してはならないわけであります。こうした暴力は断固として撲滅をしていくという姿勢で臨んでまいりたいと思います。
 
○中山(成)委員 事件当日、テレビ朝日のニュースステーションに、犯人からの、この犯行をにおわせるような、告発文みたいなものが事前に届いていたというふうに報道されておりましたけれども、このようなものがもし事前に警察の方に知らされておれば、事件を防ぐことができたんじゃないかという意見もあるわけでございますが、報道機関の報道のあり方、姿勢について、総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
 
○菅総務大臣 お答えをさせていただく前に、実は、伊藤市長は全国の市長会の副会長を務めておられまして、私も何回となく会談をさせていただきました。そして、この6月の全国の市長会に、多くの市長の皆さんから推挙されて、市長会長に立候補することを既に表明いたしておりました。まさにこれからの地方自治を担う極めて大事な指導者でありました。私も大変残念で、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
今の御質問でありますけれども、テレビ朝日によりますと、夜九時のNHKのニュースで事件の容疑者の名前を見た番組のスタッフが初めて抗議文に気がついたとのことであります。そもそも事前に警察に届けることができなかった、こういう報告を受けております。また、内容的にも、市長に抗議するという内容で、銃撃ということは一切触れられていなかったということであります。
放送事業者の姿勢のあり方でありますけれども、一般論でありますけれども、人命にかかわるこうした事案については、人命を第一に尊重することは当然のことであるというふうに思います。そして、放送事業者にあっては、高い公共性が求められている、このことを自覚してこれから適切に対応していただきたい、こう思います。
 
○中山(成)委員 さて、安倍内閣が内閣の最重要課題と位置づけます教育関連法案の審議が始まったわけでございます。安倍内閣が誕生して半年が過ぎました。もう半年かという気持ちもおありかと思いますけれども、その間、支持率がずっと下がり続けておった、しかし最近、やや下げ止まっている、こういう風な報道もあるわけでございます。
私は、この間、安倍総理は、就任早々、中国、韓国を訪問して、国交正常化に道筋をつけられたわけでございますし、また、長年の懸案でございました教育基本法の改正も、それこそ59年ぶりに実現されました。また、これも長年の懸案でございましたけれども、防衛庁の省昇格も実現したわけでございます。さらに、憲法改正の手続法でございます国民投票法案も、先週、衆議院を通過して、今参議院で審議中でございます。このように、安倍内閣というのは、これまでの歴代の内閣ができなかったような重い課題を次々に実現しているわけでございます。
私は、以前、総理に、支持率というのは気にはしなきゃいけないけれども、しかし支持率に左右されるような政治はしてはならないんじゃないか、信念を貫いてほしい、このように申し上げたこともあるわけですけれども、政権を担当されて半年、今のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
 
○安倍内閣総理大臣 私は総理に就任した際、戦後レジームから脱却をして、そして新しい国づくりをスタートする、美しい国をつくっていく、こう宣言をいたしました。
昨年の臨時国会におきまして、教育基本法におきましては、約60年ぶりの改正を成し遂げることができたわけであります。また、税制におきましても、道路財源、これは50年ぶりの大改正であった、このように任じているところでございます。また、防衛庁につきましては、防衛庁を省に昇格させるという決定については、自民党においては、岸内閣のときにその方針を固め、そして池田内閣で閣議決定をしたわけでございますが、自来、長い年月できなかったわけでございます。これこそまさに、私は、戦後レジームから脱却をして新しい国をつくっていくための礎づくりではなかったか、このように思う次第でございます。
こうした礎のもとに、皆様方と、また国民の皆様と相携えて、力を合わせて美しい国づくりに邁進をしていく決意でございます。
また、外交におきましては、先般、温家宝総理が来日をされました。日中においては戦略的互恵関係を構築していくということで一致をしておりますが、主張すべき点は主張していく、我が国の国益を増進していく、そしてまた、世界の中で日本が何をすべきか、何をやっていくことが日本の、そして世界のためになるかということを明確に主張していく、そういう外交をさらに展開してまいる決意でございます。
 
○中山(成)委員 しかし、それにしても、本当に内外ともに問題山積だな、こう思うわけでございます。
国内におきましては、少子化対策、これも急がなきゃいけません。また、何より、今統一地方選挙で地方を回っておりますと、地方の活性化、これはどうしても力を入れていかなきゃいかぬということを痛感するわけでございます。
また、国民に増税をお願いする前にできるだけ歳出を削減しようということで、公共事業あるいは医療、福祉の削減に力を入れているわけですけれども、現場からは悲鳴にも似た声が聞こえているわけでございまして、そういう意味では、歳出削減、財政構造改革といいますか、これも安倍内閣の大きな課題である、このように考えているわけです。
しかし、まさにこの教育改革こそが、私は安倍内閣の最も大事な課題である、このように思うわけでございます。
子供の成長、これは待ったなしでございます。スピード感を持ってやり遂げていかなければならない、このように思うわけでございます。総理もこのことを十分自覚されて、教育改革ではなくて教育再生という強い言葉をお使いになっているわけでございますけれども、総理の教育改革にかける決意というものをお聞かせいただきたいと思います。
 
○安倍内閣総理大臣 私が教育再生という言葉を使いましたのは、多くの国民が、教育は今のままでいいと思っていない、ほとんどの国民が何とかしてもらいたい、こう思っているわけでございます。一方、日本の教育というのは、これは江戸時代の寺子屋時代を見てみましても、世界の中でもすぐれた機能を持っていた。また、戦後の教育の仕組みにおいても、機会均等ということを実現したということにおいては、まさに、アジアの国々から、日本の教育のシステムを導入したい、このように仰ぎ見られていた時代も確かにあったのだろう、こう思います。
その意味におきまして、我々は、教育を再生していかなければいけない。未来を担う子供たち、この子供たちの将来こそが、私たちにとって、政治において、最も将来について考えるべき課題であろう、こう考えるところでございます。
すべての子供たちが高い水準の規範意識と、そして学力を身につける機会を提供していかなければいけない。誰でもが通うことができる公立学校の再生も、これは当然大切な課題であろうと思います。教育の場において、お金のある人たちのみが子供にいい教育を提供できるということであってはならない。これはまさに格差の再生産に繋がっていくわけであります。
そういう意味におきましても、公教育の再生はもう待ったなしであろう、このように思う次第でございまして、私の美しい国づくりのまず根本、基本は教育であろう、教育の再生に全力をもって取り組んでまいる決意でございます。
 
○中山(成)委員 私ごとになりますが、もう3年前になりますけれども、小泉総理のもとで、平成16年の9月から17年の10月まで、1年と1カ月私も文部科学大臣を務めさせていただきました。私も、それ以前から、日本の教育、それこそ地元宮崎の東国原知事じゃありませんけれども、どげんかせんないかん、何とかしなきゃいけない、そういう強い思いを持っておりましたので、就任早々「甦れ、日本!」と題しまして、私の教育改革の私案を発表いたしました。
これは、頑張る子供、頑張る先生方を応援しよう、そしてチャレンジ精神に富んだ子供たちを育てよう、そういう思いでございましたが、その中に、いわゆるゆとり教育の見直し、あるいは免許更新制の導入、それから全国学力テストの復活、こういったものが含まれていたわけでございまして、今安倍内閣が進めようとしています教育再生、改革の中にこれらが取り込まれているということにつきましては、まさに我が意を得たという感じがするわけでございます。
安倍内閣は再チャレンジということを提唱されましたが、私は、初チャレンジといいますか、最初からチャレンジをしないような、そういう無気力な子供たち、ニートとかフリーターという若者たちが増えていることについて危惧を持っておりまして、これは何でかなと思っていましたが、これはやはり、学校現場におきまして、競争は悪だ、競争はさせちゃいけないんだ、そういう教育が問題だったのではないかな、このように思ったわけでございます。
しかし、実社会に出ますと、これはまさに大競争の時代、国際的にも大競争でございますから、余り競争という言葉を使うといろいろ言われますが、切磋琢磨するといいますか、競い合う心、このように言いかえてもいいと思うんですけれども、そういったものが今の教育に求められている、私はこのように確信しているわけでございます。
そういった中で、いわゆるゆとり教育というふうに言われているもの、これが長年続いてまいったわけでございます。私は、このゆとり教育の理念と言われております、基礎、基本はしっかり教えて、そして自分の頭で考え、判断して行動できる、そういう人間力のある子供たちを育てるんだという、この理念は間違っていない、こう思っているんですけれども、しかし、OECDの学力調査、あるいは先般発表されました高校生の学力調査等によりますと、どうも読解力とかあるいは応用力、ここに問題がある、こういう風に指摘されているわけでございます。
私は、このゆとり教育の発端となりました、いわゆる受験地獄、その中で、詰め込み、受験のための詰め込みというのはこれはいけないと思うんですけれども、人生のための詰め込みといいますか、そういったものは必要だと思うんですよ。
どういうことかと言いますと、私ども、もう本当に記憶力が大分弱くなりましたが、小学校、中学校の頃を思い出しますと、本当に柔らかい頭でいろいろなことが吸収できたな、そう思うわけでございまして、そういう頭の柔らかい時に、例えば漢文漢詩あるいはすぐれた日本の詩歌、そういったもの、よく言われますが、「少年老い易く学成り難し」とかあるいは「李下に冠を正さず」、これは政治家にとって一番大事なことで、こういったことをしっかり覚えておくと、人生の折節に、いろいろな折々に自分たちを励ましてくれたり、あるいはしっかり規律を守ったりとか、ある意味では人生の同伴者にもなってくれるんじゃないかと思うわけでございます。
そういう意味で、私は是非、人生のための詰め込みということで、特に小学校、中学校の頃、ともすれば怠けがちでございますから、しっかり鍛える。「国家の品格」で有名になりましたが、藤原正彦先生もたたき込めということを言われていますが、本当に繰り返し基礎、基本を教える、すり込む、そういったことが必要じゃないか、このように私は思うわけでございます。
義務教育の責任者でもございますけれども、安倍総理のゆとり教育についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 
○安倍内閣総理大臣 ゆとり教育につきましては、まさに委員御指摘の通りであろうと思います。
そもそものゆとり教育の理念、考え方は、私は間違っていなかったと思います。やはり人間というのは基本的にはある意味ゆとりが必要ですから、物事を深く考える力、あるいはまた、幅広い知識を求め、そしてそれを学んでいくこと、好奇心を持って、いろいろなものになぜだろうと思いながら挑戦をしていったり、そういう知識を取り入れていこうという気持ち、そうしたことをむしろ慫慂するにはやはりゆとりというものも大切なんだろうと思いますが、それはまさに基礎的な知識、学力が身についての上のことであろう。また、そうでなければ、より深く学んだり、あるいはさらに幅を広げていくということもできないんだろうと思います。そのバランスであろうと思うわけでありますが、その理念自体は、私は決して間違っていなかったと思うわけであります。
しかし、結果としてなかなかいい結果が出てきていない。つまり、子供の自主性を尊重する余り、結果として基礎学力が、どうも十分に身についていないという結果になっていたり、また、学ぶ意欲の低下に繋がってきてしまっているということでございます。
そこで、教育再生会議から、これはやはり見直していくべきだろうと。つまり、教育指導要領の理念をしっかりと実現させていけるように、教育指導要領も見直しをしていくことも大切だろうという意味において、このゆとり教育を見直ししていかなければいけない。読み書き、今は、そろばんというか、計算ですね、読み書き計算、あるいは知識、技術、こうした基礎的なものはしっかりとある意味では教え込んでいくということを我々は責任を持って言っていかなければならない、このように考えております。
 
○中山(成)委員 総理のお言葉をお聞きしまして、本当にほっと安心いたしました。
私は、子供たちを国家形成のための貴重な、資源といいますか、人材である、そういう観点も大事ですけれども、せっかくこの世に生を受けて、もちろん、中にはハンディキャップを背負って生まれてきた子供たちもおりますけれども、そういった子供たちも含めて、やはりその子供たちが可能性を十分開花させながら、人生を幸せに送ってほしい、そのための土台を作ってやるのが義務教育の責任だろう、私はこう思うわけでございまして、このことにつきましては、伊吹大臣、よくお分かりだ、このように思っているところでございます。
ところで、私は、在任中、教育改革を進めるにはまず現場を知ることだ、こう思いまして、スクールミーティングというのを提唱いたしまして、小中学校は全国で3万3千校あるそうでございますが、その1%をせめて自分たちの目で見ようじゃないかと、副大臣、政務官を含め、文部科学省の幹部たちも総動員いたしまして、学校現場を訪れました。全部で400校近くを行ったと思うんです。私自身も40校近くを訪問させていただきました。その折は大変学校関係者にお世話になりました。改めて感謝を申し上げたいと思います。
いろいろな経験、いろいろな話を聞かせていただきまして、素晴らしい取り組みをしているな、本当に先生方は頑張っていらっしゃるなと、頭が下がるような、そういう思いがございました。一方では、報告書のたぐいだとかあるいはレポートをたくさん出さなければならない、もう忙しくて子供たちと向き合う時間がないんだと、こういう風な声も聞いたわけでございます。
その中で、特に先生方に強く訴えられたのは何かというと、やはり総合的な学習の時間でございました。導入されてまだ2年ちょっとしか経っていない頃でございましたけれども、一体何をしたらいいのか分からない、あるいは、本当に一生懸命やろうとすると準備に物凄い時間がかかる、それよりも、国語、算数、そういう基礎的な教科にもっと力を入れたいんだ、こういう意見が聞かれたわけでございます。
まだまだ導入されて日が浅いのではないか、朝令暮改ではないかという批判もございましたが、私は、育ち盛りの子供たちは一日一日がとても大事だ、そう思いまして、スピード感を持って教育改革をやらなければならない、そういう思いがございましたので、事務方に、この総合的な学習の時間を検証してくれという指示を出したところでございましたが、その結果がどうなっているか。これは文科大臣、お答えいただけますか。
 
○伊吹文部科学大臣 先生が文部科学大臣として御在任中に出された総合学習のあり方の見直しについては、現在、中教審で着実に審議が行われております。
ただ、その間に、先ほど御指摘がありましたように、60年ぶりの教育基本法の改正がありましたので、その改正教育基本法を受けて、学校教育法を現在国会の御審議に委ねているところでありますので、これを踏まえて、教育として何を学んでもらうのかということを、もう一度新しい時代に合った新しい学びの内容を立法府でお認めいただいて、それに従って学習指導要領を直していきますので、その際に、今御指摘があった総合学習、これは先ほど総理が申しましたように、基礎的なことをきっちり学んだ上で、自分の興味のあることを自主的に調べさせるとか、それを実際に応用させるということですから、このことは間違っていないんです。いないんですが、なるほど、今御指摘のあったように、現場で戸惑いがございますから、基礎学力をしっかりした上で、どういう形でこれを運用していくかということを、しっかりと中教審の答申を踏まえて、今の御注意も参考にしながら、改訂をしていきたいと思っております。
 
○中山(成)委員 もちろん中には本当に素晴らしい取り組み、こういった取り組みを他の学校にもしてもらいたいなという風な例も見られましたので、そういったことも参考にしていただきたいと思います。
教育再生会議でも、授業時数を一割増すんだ、こういうような提言もいただいておりますが、日本の年間の授業時数を見てみますと、小学校、中学校ともOECDの平均に比べて少なくなっております。特に国語と数学の時間が極端に少ないですね。このことを私は指摘したいと思うんです。
ここに中学校の1年間の平均授業時数の調査がございますが、例えば国語、日本は96時間、一番多いのがフランス163時間、67時間も差があるわけでございまして、OECD平均でも143時間になっているんですね。平均143時間、それに対して日本は96時間。数学については、日本が87時間、一番多いフランスが144時間、57時間少ない。OECD平均でも116時間であります。理科につきましても、日本は78時間、一番多いのがイングランド118時間、OECDの平均が107時間となっている。このように、本当に授業時数が少なくなっている。
基礎、基本はしっかり教える。やはり繰り返し教えないと、私たちの小さい頃の経験でもそうですけれども、なかなか覚えられないんですね。ですから、そういう意味で、教科書も薄くなりましたが、授業時数までが薄くなっているということは、これは非常に問題だ、私はこのように思うわけでございます。
そういう意味で、私は、ぜひ、学力の向上を図るためにも土曜日とか夏休みを有効に活用すべきじゃないかと、このことを在任中から何度も申し上げてきたところでございます。特に夏休みですね。夏休みに先生方は学校に行っているんですね。子供たちは登校していないのに、学校へ行っている。これはちょっとおかしいなと思うんです。民間の塾で、生徒たちが来ていないのに先生方がそこに座っていることはあり得ない。これは、まさに公立だから、公務員だからそういうことになるんじゃないか、こう思うわけでございます。
先ほどの、例えば総合的学習の時間なんか、これは夏休みにまとめてやったらいいじゃないか、このようなことを考えるんですけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
 
○伊吹文部科学大臣 御指摘があったように、日本の授業時間、特に義務教育の授業時間は世界的に見て非常に短いというのはそのとおりだと思います。同時に、学習時間と学力との間の相関関係についてはいろいろな意見があることは先生御承知の通りだと思いますが、現在においても、各教育委員会の自主的な判断によって、夏休みをどうする、あるいは朝の時間を少し早目にやる、いろいろな取り組みが行われております。
私は、やはり、夏休み、冬休み、いわゆる長期休暇期間と言われるものの活用が、今御指摘のように一番大切じゃないかと思います。同時に、一週間の授業時間を増やすということも今後考えていかねばなりません。特に、先般の高等学校の学力の抽出調査でも、やはり残念ながら、日本語というか自国語の読解力、理解力というのは極端に日本は駄目なんですね。ですから、このあたりの御指摘はしっかりと受けとめて、これから授業時間の問題も考えて参りたいと思いますが、土曜日をどうするかということは、これはなかなか、私は、社会全体が今、週休二日制に移行している中でどういう風にするのか、特に、ご家庭のご両親との触れ合いの時間は子供にとって非常に大切な時間ですので、この時間をどう取るかということも一つ念頭に置いて考えていかねばならないだろうと思います。
いずれにしろ、今般お願いしている、特に学校教育法を立法府でお認めいただければ、今先生が御指摘のあたりの問題は早急に検討して、授業日数の増加の考えも、中教審にもそういう御意見は非常に多いわけですから、実現の方向で努力をしたいと思っております。
 
○中山(成)委員 是非、国語の時間を充実させてほしいなと。何と言っても一番、原点だと思うんですね。先ほど言いましたように、フランスはさすがに母国語を大事にしているなと。163時間、飛び抜けていますよね。このことは大事なことだと思っています。
基礎学力もそうですが、私はここで、日本の歴史教育について触れないわけにはいきません。
今、安倍総理もいろいろと、本当に宸襟を悩ませているのではないかと思うわけでございますが、今、アメリカの下院におきまして、日本のいわゆる従軍慰安婦の非難決議案が出ていまして、安倍総理に謝罪を求めているわけでございます。
この案文を読んでみますと、本当にひどいことが書いてあるんですよ。日本の兵隊たちが若い女性を性的奴隷化した、そして集団的暴行、強制中絶、性的暴力を加えた20世紀最大の人身売買である、だから総理大臣に、謝罪しろ、こういうことになっていまして、日本の国民の皆さん方はあまりお知りになっていないかもしれないけれども、まさにそれがあるいは採択されるかもしれないという話になっているわけでございまして、とんでもないことだ、私はこのように思うわけです。
そもそも、このいわゆる従軍慰安婦の問題、私たちは、あまり口にしない、そういった気持ちがあるんですよ、お互いに思いやって。けれども、国際社会において日本がそういう風な非難を受けているということであれば、今日はテレビも入っていますし、国民の皆さん方にも是非理解していただきたい、このように思うわけでございます。
そもそも、この従軍慰安婦という言葉が、元々無かったんですけれども、初めて出てまいりましたのは、1983年に吉田清治という人が、自分は済州島において慰安婦狩りをした、強制連行した、こういう本を書かれたんですね。それで、ある新聞が大々的なキャンペーンをいたしました。そして、それが一人歩きしたんですけれども。不審に思った韓国の女性の、これは記者でございますけれども、済州島に行って実際調査したら、そういう事実は無かったということがはっきりしたわけです。それで、後には、この吉田清治さんという方も、実はあれは嘘だったということを告白されたわけですけれども、これが一人歩きをしている。これはまさに国際的な大きな問題になっているということを私たちは知らなければいけない。
そしてまた、日本の弁護士が韓国に行きまして、誰か従軍慰安婦の訴訟をしませんか、こういう募集をしたんですね。ですから、この問題というのは、日本人が巻いた種なんですよ、はっきり言って、日本人が巻いた種。
そして、私は日本の外交にも問題があったと思いますけれども、歴代その場しのぎの対応をしてきた、そのことが、今安倍総理の本当に胸を痛めていることなんじゃないか、このように実は考えるわけでございます。
はっきりここで申し上げた方がいいと思いますけれども、私は3つのことを申し上げたいんですね。
1つは、今は私たちは考えられませんが、当時は公娼制度というのがございました。いわゆる売春というのが、これは商行為として認められていたわけですね。そのことを私たちはまず知らなきゃいけません。
2つ目は、この慰安婦と言われる方々、ほとんどは日本人だったんですね。日本の女性だったということ。
私は、浅田次郎さんという作家、大好きでいつも読んでいますが、一番最近の、買いました本、これは「月島慕情」という本でございますが、最初にこういう文章がございます。
明治26年の巳年の生まれだからミノと名付けられた。故郷の村には同い年のミノが何人もいたが、一回り上にも大勢いたはずの同じ名前の娘たちは、ミノが物心ついたときにはみな姿を消していた。1つ年上のタツも、2つ年上のウノの場合もそれは同様だから、世代を超えた同じ名の娘はいなかった。
雪が溶ける頃何人もの人買いがやってきて、小学校を終えた娘たちを連れて行くのだった。
行先のほとんどは上州か諏訪の製糸工場だったが、とりわけ器量の良い娘は東京へと買われた。そういう娘は値が違うから、果報だと噂された。
こういう風な文章があります。
私の郷土宮崎、ゴルフのダンロップオープンが開かれるシーガイアというところがございます。佐藤棟良さんという方がつくられたんですけれども、残念ながら、バブルの崩壊で外資の手に渡りました。40近い、自分が手塩に育てたそういう会社も全部売られてしまった。
その方から、この前、手紙が来ました。88歳になった、元気だ、しかし、自分が一生懸命やったあの施設がまだまだ赤字らしい、何とかみんなの力で観光宮崎を少しアピールしてほしい、そういう風な思いでございまして、創業者として大変つらい思いをされたと思うんです。自分の育てた企業が買われてしまった。
その文章の一番最後に、こういう言葉がありました。私は、小学校のときに同級生の女の子が売られていったことを忘れることはできない。多分、私は、佐藤さんの好きな女の子だったんじゃないかなと。このことを88歳にもなってまだ思い出している。そういう時代だったということを私たちは知らなければならないと思います。
3つ目に申し上げたいのは、これは総理もしょっちゅう言っていられます、悲惨な境遇の女性たち、同情を禁じ得ないし、本当に大変だったんだろうと思うと。その通りでございまして、この言ったところにも書いてあります。苦界に身を沈めてなかなか逃れられないたくさんの方がいらっしゃったことも事実でございます。
しかし一方で、そうでないところというのもあるわけでございまして、これはまさにアメリカの資料にあるわけですけれども、第2次世界大戦中、日本が占領したところを次々にアメリカが取り返していきました、奪い返していった。ビルマの戦線でアメリカの情報部が調べた記録が残っている。
それによりますと、慰安婦の1カ月売り上げが1500円、これを経営者と慰安婦で半々、五分五分で取っていた。だから、750円、慰安婦の手取りだったと。当時、日本の一般の兵隊さんたちの給料というのは7円50銭、軍曹が30円だったそうでございます。7円50銭と750円、100倍の違いがあるわけですね。私たちの給料が今30万とすると、3000万ですよ。やはり、こういう儲かる商売であったということも実は事実でございます。
先程、日本の弁護士が韓国に行って、従軍慰安婦の訴訟を誰かしませんかと言って、手を挙げた方がいらっしゃいます。その女性の方は、実はもう1つの訴訟も起こしていました。これは何かというと、戦後、預金封鎖された、これを返してくれ、そういう訴訟でございました。その金額は、何と2万6千円でございます。2万6千円、当時の貨幣価値からいいますと、1000円あると豪邸が建ったそうであります。だから、2万6千円というのはいかに大きな金額であったか。こういう事実もあるわけでございまして、そういったことも日本人としてしっかり知っておかないと、私は何を申し上げたいかというと、安倍内閣は、美しい国と言われます。この日本に住む私たちも本当に美しい日本人になりたい。学力も規範意識も大事です、しかし、気概を持たなきゃいけない、気力を持たなきゃいかぬ。そういう意味で、日本人同士、信義を大切にし、何といっても先祖を敬うことも私は大事だと思うわけでございます。
本当に、大変な思いをされた女性の方々の尊厳を大事にすることも大事ですけれども、日本人の尊厳、特に、前の大戦で命を落とされたたくさんの兵士の方々、あるいは広島、長崎、さらに大空襲で命を落とされたたくさんの日本人、あるいは満州で150万の日本の方々が悲惨な体験をされた、そういったことについてもやはり思いをいたして、私たちは国づくりをしなければならない。そういう意味で、ちょっと時間をとりましたが、申し上げたところでございました。
そこで、伊吹文科大臣に質問いたしたいんですけれども、今年は高校2年生の教科書の検定がございました。その中で、歴史教科書の中に、まだまだ従軍慰安婦とか強制連行という言葉が残っているんです。安倍総理、我々はずっと、この言葉を何とか無くしたい、無かったことが教科書にあるんだから、無くそうという運動をしてきて、幸い、中学校の歴史教科書からこの文言は消えました。しかし、高校にはまだ残っている。私は担当課に聞きました、どうして残っているのと。いや、小中学校と高校は違うんですと。何が違うのか。小中学校の教科書は無償だけれども、高校の教科書は有償だから、あまり文科省としては強く言えないのですと。私はあきれました。
検定制度というのはそういうものですか。有償、無償で違うんですか。お答えいただきたいと思います。
 
○伊吹文部科学大臣 文部科学省のどの者がそういう表現をしたのか、私は、そういうことは私の部下は言っていないと思いますけれども。少なくとも、日本という国は議院内閣制で動いているわけですから、今、自民党、公明党が政権を担っております。しかし、民主党さんが政権をとられる場合もあるでしょうし、共産党さんが日本の政権をとるという可能性も否定できないわけで、各々の政党のイズムでもって教科書を云々するということは、私は適当なことじゃないと思っております。したがって、先生ご承知のように、教科用図書検定審議会という、客観的な判断をしていただく、学問的、中立的判断をしていただくところの判断を、家永判決においてもそうですけれども、文部科学大臣は尊重をするというか、その意見によって検定の合格を判定する。したがって、今回のことについても、安倍総理も私も、検定について一言の言葉を挟んだこともありません。政権が変われば教科書の内容が変わるほど日本は怖い国であってはならないと私は思っております。
ただ、大切なことは、一方的な思想によって教科書の事実が歪められているということだけは正さなければいけませんから、書かれている内容について両論あるという場合は、両論を必ず併記してもらわなければならない、あるいは、一方的な記述はやめてもらわねばならない。そのことだけは、これから白紙の状態で学んでいく子供には、しっかりと中立的立場で教科書というものを客観事実に沿って作り上げていくということだと思います。
いろいろ政治家の、特に最近の歴史を見る目は、政治家も日本国民も一人一人違うと私は思いますので、各々のイズムによって批判をしたり、逆に、各々のイズムによって検定結果を逆の意味でまた批判するということも、私はあってはならない。ですから、家永裁判においても、どのように判決は行われているかというと、学術的、教育的、専門的判断であるとされ、文部科学大臣は合否の決定は同審議会の答申に基づいて行われるものと。私はこれを忠実に理解し、実行して参りましたので、両方の立場から批判を受けるというのは、私は、私の職責から言えば当然のことだと思っております。
 
○中山(成)委員 戦後60年経ちまして、今まで封印されていた色々な記録等がだんだん出てきているんですね。それに基づきまして、いわゆる歴史研究家、その方々の研究も進んでおります。私は、そういう意味では、歴史的な事実、これを客観的に勉強してほしい、検定に当たられる方々が。私は伊吹大臣の立場はよく理解できます。ですから、文科省の職員も、そういう検定に当たられる方々も、本当に、そういう意味で、新しい色々な研究家の研究成果、こういったことについてもしっかり学んでほしい、勉強してほしいということを要望いたします。
そして、安倍総理、日本人というのはすぐ謝るんですね。謝ると、謝ったのに許さないのはけしからぬと言ってまた怒られるぐらいですけれども、国際政治においては、謝ったら、ではどうしてくれるんだと、賠償はどうするんだという話になるんです。我々日本人というのはそういう意味で本当にダブルスタンダードの中で生きていかなければならないなと、こう思うんです。
しかし、言われたことについて違ったら反論しないとこれは認めたことになるわけですから、やはり美しい国は強くなければならない。そういう意味で、これからも我々は、違うことについて、間違ったことについてはやはり反論していく、そういった勇気、強さも私は必要だと、このように考えているところでございます。
ところで、そういう国際化といいますか、どうも日本人というのは井の中のカワズみたいなところがあります。なかなか国際化に馴染みにくい。その中で、私は、ぜひ英語教育について、これは大臣にお願いしたいんです。
以前、シンガポールに行きましたとき、あそこは高校を卒業するとき高校卒業認定の試験があるそうですけれども、3カ国語がその中に入っているというのですね。
先ほど私は国語の重要性を言いました。国語には本当に力を入れなければなりませんが、この国際化社会においては、やはり英語はどうしても若いうちに、特にネーティブの先生方に耳から、口から教わることが一番大事なことではないか、こう思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
 
○伊吹文部科学大臣 先程先生から、日本の国語の大切さがお話しされました。
フランス人というのはフランス語を大変大切にしておりますね、おっしゃった通り。私は苦い経験があるんですが、私はフランス語が堪能じゃありませんので、パリで英語でフランス人に話しかけたんですよ。そうしたら、素晴らしいオックスブリッジ・イングリッシュで、私はフランス人なので英語がよく話せませんと、英語でぴしゃっとやられた経験があります。
今、まず美しい日本語をしっかりと学ぶ、これはやはり小学校では私は基本だと思います。現在の学習指導要領には、自国の文化、歴史をマスターして、進んで国際感覚を養うという言葉の中で英語教育が行われているわけです。ですから、ネーティブスピーカーのような人で、各国の言葉、いろいろな表現がある、そしてそれによって各国いろいろな生き方がある、こういうことを小学校から十分学んでいただいたら結構だと私は思いますが、いわゆるアルファベット的な文法的英語を小学校から教えることがいいかどうかについては、これはやはり日本語の習熟度と合わせて、授業時間が限られておりますので。
私の経験からしても、あまり早く英語を学んだ人が、必ずしも大きくなってから英語がうまいとは思わないですね。この辺のことも少し参考にして。しかし、国際感覚を身につけるということだけは、例えば「おはよう」という言葉でもいろいろな表現があるんだということをしっかりと耳から学んでいく、そして自分も話せるぐらいのことは小学校でやってもよろしいんじゃないでしょうか。
 
○中山(成)委員 まさに、小さい頃から英語に、英語だけに限りませんが、そういう外国語に体でもって馴染んでいくというのは大事なことだということは御理解いただいたと思います。
時間があまりありませんので、2つほど、政府案と民主党案の違い、これについてちょっと御質問いたしたいと思うんです。
学校現場を回ってみまして、やはり教育は人なり、教師力を高めていくことが一番だと、このように本当に思いましたけれども、先生というのは学校を卒業して先生になるとずっと先生なんですね。だから、ついついマンネリになってしまう。ですから、日々研さんを積むんだ、昨日より今日、今日より明日、子供たちに教える教え方もうまくなりたい、子供たちから本当に親しまれる先生になる、そういう努力をしてほしい、こういう気持ちでございまして、そこで免許更新制というのを私自身も提唱したわけでございます。しかし、実際、実施に当たってはなかなかこれは課題があるなということも事実でございまして、いろいろ苦労されているのではないかなと、このように思うわけですけれども。
民主党案では、まず、10年ごとですけれども、100時間、政府案は30時間ですね。しかし、30時間でも大変だと思うんですね。大体、年間10万人ぐらいが講習を受けることになるんじゃないですか。だから、そのコストをどうするかとか、あるいは場所をどうするんだ、校舎をどうするんだ、授業に穴はあかないかとか、いろいろな問題があると思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
 
○伊吹文部科学大臣 このことは本会議でも民主党の野田筆頭理事から私に御質問がありまして、私はお答えしたんですが、民主党の御提案されていることが現実に可能であれば、100時間というのは30時間よりいいに決まっていると私は思います。問題は、授業に穴をあけないように長期休暇の期日を利用しながらどこまでやれるのか、それから、100時間ということに対する財政負担がどの程度要るのかというようなことを考えますと、私は、野田先生にお答えしたように、いいことなんだけれども、実現可能性が、財源的あるいは人事管理上可能なのかなという気がいたします。
ただ、別の立場から言うと、30時間で十分なのかという批判も当然できるわけでして、したがって、まず30時間の内容を充実させて、そして民主党の皆さんの御意見も審議の中で伺わせていただいて、内容をしっかりと作って、いや30時間で足りないということなら、40時間にするか、あるいは内容がこれでよかったという御評価を受ければさらに内容を磨いていくか、少し国会審議を私は大切に聞かせていただきたいと思っております。
 
○中山(成)委員 是非これから、その制度構築に当たっては、いろいろな意見等を聞きながら進めていただきたいと思います。
もう一つの民主党案との違いというのは、教育委員会制度ですよね。
教育委員会制度のあり方につきましては、私たち自民党もずっと議論をしてまいりました。そして、例えばいじめ問題の対応で見られたように、いろいろ問題はあるけれども、改善すべき点はあるけれども、しかし、教育の中立性、継続性、安定性という面から見まして、教育委員会というのは必ず各地方公共団体に置くべきだ、こういう結論を出したわけでございます。政府案もそうなっているわけでございますが、文科大臣としてどう考えられるか、お聞きしたいと思います。
 
○伊吹文部科学大臣 基本的に、教育というのはやはり国民の意思によって私は行われるべきだと思っております。したがって、国民の意思は、憲法上正当な選挙で選ばれたその代表をもって主権というのは行使されるわけですから、国会が決めたことに従って粛々と行われる、これがまず原則だろうと思います。
ただ、先ほど来申し上げているように、日本の統治のあり方というのは議院内閣制をとっておりますので、政権を持っている政党の思いだけでこれをやってはいけないという自戒を常に私は持ちながら文部科学大臣を務めております。であるからこそ、地方の実情その他を勘案しながら、地方に実際の実施権限を委ねている、これが教育委員会制度だと思います。
民主党案では、教育委員会、中立的な第三者機関としての執行機関である教育委員会の権限を自治体の長にお渡しになるということになっているわけですが、自治体の長というのは、安倍総理がおられて失礼ですが、各議員が選んでいるという総理ではないんですね。直接選挙で選ばれる大統領的選挙なのです。この選挙には、いろいろな各政党が候補者を応援して、知事は民主党の知事が勝ったとか自民党の知事が勝ったとかいうわけですから、特定の政党の色がやはり出てくる可能性があるわけですね。
であるからこそ、それをチェックする議会というものもしっかりと地方自治の力を発揮してもらわなければならないけれども、同時に、教育委員会も中立的立場でしっかりとやってもらわねばならない。ここの機能が、必ずしも地方議会の機能と教育委員会の機能が十分発揮されていないところに、いじめの問題だとか未履修の問題だとかいうことが起こってきている。
ですから、私はやはり、教育委員会を再生して、教育委員会にしっかりやっていただくという形で地方での政治的中立を担保していきたい、その方が現実的じゃないかと考えて今回の御提案をした次第です。
 
○中山(成)委員 ぜひ教育委員会、例えば教育長が先生上がりである、だからついついなれ合いになっているとか、そういうようないろいろな弊害もあるわけですから、そういったところにもしっかり目を配ってこの教育委員会制度についても改革をしていかなければならない、こう思っております。
時間がなくなりましたので、最後に2つほど、これは陳情になりますが。
1つは、学校栄養教諭ですね。せっかくこういう制度をつくりました。まして、最近のいわゆる生活習慣病、こういったもの。子供たちが、もう最近肥満が増えている。あるいは、スナック菓子と清涼飲料水だけで塾に行くとか、そういう意味では本当に子供たちの食生活が乱れているというような話もあります。是非、この学校栄養教諭をもっとたくさん配置していただくように大臣の方からもお願い申し上げたいと思います。
最後が、先日も地元の市長から陳情がありましたけれども、地元の救急病院、ここを、どんどん大学の方から先生方が引き揚げられてしまって、もう本当に救急医療が不可能になりつつある、これでは地域医療が崩壊すると。これは全国どこでも実は発生しているわけでございまして、これは、何といっても研修制。どうしても都市部の民間病院での研修を受けたい。まあ、気持ちはよく分かりますが。そういうことから、地方の大学の医学部附属病院におきまして医師不足を生じているわけでございます。
これは、市とか県だけではとても対応できません。是非、国の力、国の援助が必要だ、こう思うんですけれども、是非この辺のところは文科大臣だけでは済みませんので、厚生労働大臣とも力を合わせてよろしくお願い申し上げたいと思います。
時間がなくなってしまいましたが、今回の教育再生、とても大事なことでございます。ぜひ充実した審議をしていただいて、それこそスピード感を持って教育改革に当たっていただきますように心からお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。